梨子、善子、三角フラスコ

みなさんこんにちは。こりです。

 

 

タイトルを変換しようとして出てきた「世IV虎(よしこ)」が気になって調べてました。女子プロレスラーさんだそうです。

 

 

 

そんなことより。これ観ましたか?

 

 

 

 

梨子、善子、三角フラスコ???

 

なにがあったの?

シュールで面白いけど。

 

 

セブンイレブンさんは梨子ちゃんの家族を返してあげてください。

 

 

 

 

twitterでは大反響で、三角フラスコの画像が溢れかえっています。ぜんぶすこ。

 

 

 

 

 

また、CM内の三角フラスコの目盛がおかしい(上に行くほど径が細くなるから目盛の間隔は広がるはずなのに、そうなってない)という指摘も見ました。

 

 

 

「じゃあ実際、目盛間隔はどうなんの?」

っていうブログです。

 

 

 

問題の設定は以下のとおりです。

「三角フラスコに、体積で等間隔な目盛を引いた時、その間隔はどう変化するか?」

 

 

 

第一のアプローチは「水を入れてみて測る」です。

シンプルすぎていうことはありません。

 

でもあなたが砂漠の真ん中にいて、水が手に入らない場合はどうする?どうしようもないですよね?*1

 

 

 

ここでは第二のアプローチ「モデルを立てて考える」を行っていきましょう。

 

 

 

三角フラスコ(の、一番上の目盛までの部分)を次の立体で近似します。

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高さ h, 底面の半径 a, b (a < b) の円錐の一部の台のような形です(まんま円錐台というそうです。初めて知りました)。


計算上不便なので、hは使わず、円錐の頂点までの高さ h'を使いましょう。三角形の比  h':b=(h'-h):aより

h'=\frac{b}{b-a}h

と表されます。

 

そうすると、三角フラスコの全体積は

V(三角フラスコ)=V(大きい円錐) - V(小さい円錐)

=\frac{1}{3}\pi h' b^ 2 - \frac{1}{3}\pi \frac{a}{b}h' a^ 2

=\frac{\pi}{3}\frac{h'}{b} (b^ 3 - a^ 3)

です。

 

次に、半径 rになる高さまでの体積は(a\to rとすれば簡単)、

V(r)=\frac{\pi}{3}\frac{h'}{b} (b^ 3 - r^ 3)

です。

 

 

 

目盛を引く代わりに、全体積に対する割合で考えましょう。全体積を 1としたときの V(r)の比を xとすると、

 

x(r)=V(r)/V(三角フラスコ)=\frac{b^ 3 - r^ 3}{b^ 3 - a^ 3}

 

と表されます。逆に、割合 xまで水を入れた時の水面の半径 rは、式を変形して

 r(x) = b\sqrt[3]{1-\Bigl(1-\frac{a^ 3}{b^ 3}\Bigr)x}

 

このときの水面までの高さ dは、比  h'-d:r = h':bを使って

 d = h'\Bigl(1-\frac{r}{b}\Bigr)

  = h'\Bigl(1-\sqrt[3]{1-\Bigl(1-\frac{a^ 3}{b^ 3}\Bigr)x}\Bigr)

 

高さ dもhで規格化しましょう:  y(x)\equiv d/h = \frac{b}{b-a}\Bigl(1-\sqrt[3]{1-\Bigl(1-\frac{a^ 3}{b^ 3}\Bigr)x}\Bigr)

 

 

こうすることで、「体積での割合 xの水を入れた時、高さの割合 yはどれだけになるか」の関係式  y(x)が書けました。

 

x=1のときy=1になることをチェックしてみてください。)

 

予想された方も多いかと思いますが、体積と長さの関係なので3乗根が出てきましたね。また式からも分かるように、a/bという比のみによって y(x)の形は決まります。

 

ひとつプロットしてみました。

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横軸が水の割合 x, 縦軸が目盛の割合 yを表しています。水をどんどん入れていくと、ゼロから紫の線をたどって水面は上がっていきます。緑の線は、体積で10分割した時に引かれる目盛の位置を表します。

たしかに、水の量が増えるほど目盛の間隔は広がっていきますね。

 

 

 もう少し数理的な考察は以降足していきます。

( 2019/12/08 22:36 追記 → 面倒になったので書かないかもしれない。)

*1:砂を入れれば良いじゃん